株式会社アイエスコーポレーション


インドネシアでのジャトロファBDF生産の課題

当社出資の現地会社は現在インドネシア ロンボック島にてジャトロファを主として事業を進めてまいりましたが、事業開始から現在に至るまでの様々な問題に直面してきましたので、今後の同事業を実施される方々の一助となればと思い当社事業及び課題とその解決方法を簡単にご紹介します。
また現在はジャトロファの進行を一旦停止し、トウゴマを新たな農園で拡大しています。



1)ジャトロファBDF販売価格(輸送用燃料)
ジャトロファBDF購入予定先と多々協議した結果、その価格は日本国内軽油価格に追随せざるを得ない。つまり、ヨーロッパと違いBDF事業を実施することに対して日本マーケットではインセンティブがなく、高くても化石燃料価格と同様日本国内渡し90円/Kg程度と考えられる。単純計算でインドネシアジャトロファ種子価格:15円/kg、搾油率:25%で、原料費だけで60円/Kgとなる。それに、輸送費及びプラント建設償却費・運転費を加算すれば企業としての本事業は採算性がでないのが現状である。したがって、採算性を上げるために、たとえば搾りかすの利用を検討したが、燃料としての利用は、石炭価格にまた追随させられ石炭価格7円/Kgとなり輸送コストを考えると非常に困難と判断した。また、肥料としては、リン分が少なく、肥料としての利用は難しさがある。

2)当社の解決方法
ジャトロファの主な弱点は、“①収穫が始まるのは作付後約3年、②収穫率は、約3トン/ha、③収穫には、マンパワーを多大に要す。”であり、自社でプランテーションを実施しても資金回収が遅い上、農民に実施させても農民自体には、頭金を払わないと契約プランテーションを実施する意図はない。この構図を解決するために、現在頭金を支払うよう取り組んでいるのが、ジャトロファ約3割とトウゴマ約7割を同時に作付する。つまり、トウゴマは、約5か月で収穫可能な一年草であるため、それを栽培し早期資金回収しその上で、ジャトロファを収穫する方式を考案し実施しているところである。(※2010年現在はトウゴマのみ) トウゴマでは、搾油機部分を使用し原油で出荷、ジャトロファであれば、酸化処理及び脱リンを実施する中間物かBDFにて出荷する方式を基本とする設備としている。この方法をとることにより、農民の年収が早期に可能であり年収アップにつながる。また、いかに乾季があろうとも雨期にかなりの収益を農民が上げることが可能となり、農民も耕作意欲が持てるはずと考えている。つまり、トウゴマからのヒマシ油は、価格がジャトロファ油より高値で、処理が簡素であるので、企業としては高収益であり当社は、日本国内企業に販売予定。

3)今後の課題
新しいビジネスモデルであり、要所要所で試行錯誤であり各方面の協力が必要である。
3-1)化石燃料のプライスが上がるまでの期間、中国で油をトランスの絶縁油に利用しているように高付加価値なジャトロファ油・搾りかす利用方法を開拓する。
3-2)BDFではなく、エンジンへの直接燃料として利用するなどして、プラント運転コスト削減可能な利用方法を開拓する。つまり、その直接燃焼用オイル標準仕様を確立する。
3-3)ジャトロファ種子の単価を下げるためには、収穫率を上げる品種改良が必要となり、それを、タイのパートナー及びインドネシア・ボゴール大学と連携して開発していく。

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